旅行中に絶対やってはいけない事
新型コロナウイルスの感染拡大が全国的に広がっていますが、陽性反応が出て入院し、同じ治療を受けても不幸にして命を落とす人もいれば、回復する人もいます。
この差は免疫力の違いと言えばそれまでですが、私は生きる具体的な目的、すなわち「本気の願望」を抱いているかどうかが、一つの鍵を握っているような気がします。
「病は気から」とか「肉体は精神に従う」とか言われていますが、入院しても「一日も早く回復して家族と一緒に旅行するぞ!」といった強い願望があると免疫力は高まるのではないでしょうか。
私の経験上、旅行も具体的な目的や願望があれば、旅先での行動にブレがなく、有意義なものになるのです。人生においては、旅行ではなく、放浪する人がいます。両者は似て非なるもので、その違いは目的意識と好奇心の差にあります。
例えば、旅を住処とした芭蕉さんは放浪したのではなく、独自の俳諧を極めるという明確な目的意識を持っていたのです。
そこで、人生はもとより旅行中に絶対やってはいけない事は、本来の目的を忘れたり、「本気の願望」を諦めることです。
旅行中は非日常の世界でもあるので、自分の枠を超え、心から望む目的を抱き、ブレずに「本気の願望」を果たすことです。芭蕉さんのように目的に向かって、努力を惜しまず行動し続けることです。
「マインドセット」より心のメッセージ「ハートセット」が大切
人生においても目的を達成できるかどうかは、ひとえに自分のハート次第で、いわゆる「マインドセット」の問題ではありません。
マインドセットとは、自分自身の経験や教育によって培われた、自分の核となる精神的な信条です。しかし、このマインドセットはしばしば急場しのぎや緊急事態、あるいは単なる空想に基づいて形成されることも多く、生涯をかけた真の自己実現の達成に必要な努力を永続させる力はありません。
また、マインドセットには情熱や感情の力が十分備わっていないため、悪い習慣から逃れて願望達成の軌道に乗せることもできません。
生きる残るために必要な「本気の願望」は、ハート(心)から発生する感情を作り出し、この感情は自分の内側から来る力です。私はこれを「マインドセット」に対して「ハートセット」と呼んでいます。
ハートセットは、「そうなりたい、これが欲しい、見たい、聞きたい、感じたい、達成したい、経験したい」と心が欲するメッセージであり、マインドセットと比べて、より強力な感情です。
脳科学においても、脳は心から欲する願望を追い求めている時には、自分が持っている自発性や能力、創造力や忍耐力をフルに発揮して、願望を実現する方法を見つけることができると言われています。
しかし、脳に明らかな方向性を持った指示が与えられなければ、脳はどこが悪いのかと、悪い所を探し始めます。悲しいかな、それが人間の性(さが)で、学者のレポートによれば、人が1日に考えることの約80パーセントはネガティブなことだそうです。実際私達は、現実社会の影響で、悪い所を探すようにプログラミングされているのです。
私は、この人間の習性を打破するため旅に出て、正しいハートセットによる「本気の願望」を追求してきたのです。
見えない敵に対して生き残るには「本気の願望」が必要
このハートセットによる「本気の願望」は、単なる願い事や思いつき、または故意に立てた偽物の目標ではあってはいけません。正しいハートセットによる「本気の願望」は、素晴らしい夢でもなければ、そうなったらいいなというような軽い願い事でもなく、本気でワクワクするような事柄です。動物学的に言えば生き残るための本能的欲求です。
それほど強い願望ではない時には、簡単に脇道に逸(そ)れてしまうので、その際には願望の修正が必要です。
私はこれまでの旅行において、この「ハートセット」をガイドとし、トラブルを乗り越え、「旅行から人生が変わる」体験をしてきました。
ダライ・ラマも「人は強い意志、楽天主義、忍耐、勇気、信念があれば、あらゆる障害も克服できるだろう」と言っていますが、この源は「マインドセット」より「ハートセット」によるものだと思います。
旅行中はもとより、人生においてもこの自分の心のメッセージである「ハートセット」による「本気の願望」に従いましょう。特に、新型コロナウイルスのような目に見えない敵に打ち勝つには、「本気の願望」をもつことです。
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