平成芭蕉の「令和の旅」指南(6)~クリスマスとは何か

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日本でのクリスマスのルーツと海外でのクリスマス

「Merry Christmas と書かれたツリー」の写真日本でのクリスマスは、1552年に周防国山口(現在の山口県山口市)において、カトリック教会の宣教師であるコスメ・デ・トーレスという人が、日本人信徒を招いて降誕祭のミサを行ったのが最初とされています。

そして1874年、東京第一長老教会でカロザース宣教師から洗礼を受けた原胤昭は、彼の妻ジュリアの女学校でクリスマス祭を開き、日本で最初のサンタクロースを演じました。

原胤昭は1876年にはカロザース宣教師の成樹学校を改組し、原女学校を開設してここで日本人による最初のクリスマスが祝われたと言われています。

明治時代になるとお菓子会社がクリスマス商戦を開始し、明治10年代には丸善がクリスマス用品を輸入販売するようになり、次第に一般家庭でもクリスマスが祝われるようになりましたが、宗教的側面は軽んじられました。

「令和の旅」を考える平成芭蕉

今日、日本におけるクリスマスは24日のクリスマスイブを盛大に祝い、25日はクリスマスのお片づけをする日といったイメージですが、海外でのクリスマスはやはり宗教的行事です。
令和元年は海外のクリスマスを知った上で、日本風のクリスマスを祝ってみてはいかがでしょうか。

クリスマスは同じキリスト教圏でも様々なお祝いの仕方がありますが、一般的には12月25日のキリスト降誕の日から逆算して、4つ前の日曜日から始まる1ヶ月を「アドヴェント(待降節)」と呼び、クリスマスの準備期間としています。

そして、各家庭では常緑樹の枝を丸めて作った葉冠(リース)をテーブルや壁に飾ったり、クリスマス・ツリーを飾り、4本のローソクを立て、日曜日に教会へ行った後、家庭でそのローソクに火をともす。

プレゼピオ

街中の商店ではプレゼピオ(イエス・キリストの誕生シーンをかたどった模型)が店頭に展示され、クリスマスの飾り付けが行われます。

さらに、広場では恒例の「年の市」が開かれ、クリスマスの宴に備えて一年でいちばんの買い物をするクリスマス・マーケットとして賑わうのです。

クリスマスマーケット

クリスマス・マーケットは11月30日に一番近い日曜日から開始して12月24日のクリスマスイブまでには終了します。

そして12月24日は前夜祭、12月25日には特別礼拝を行い、1月6日のエピファニア「聖母マリアが幼子イエスを初めて人々(東方の三博士)に拝ませた日」でクリスマスを終えますが、クリスマスの期間は日本のお正月のように家族で過ごすのが原則です。

クリスマス・ツリーとは

しかし、クリスマス・ツリーは、キリスト教とは関係はなく、北欧で暮らしていた古代ゲルマン民族の信仰に基づきます。

北欧の厳しい寒さに強い樫の木「永遠の命の象徴」と考えられており、この樫の木を飾りつけることで、モミの木に宿る幸せを運ぶ小人を招くという信仰です。

このゲルマン民族の信仰がキリスト教にとって代わられるようになり、クリスマス・ツリーも樫の木からキリスト教の三位一体を表すモミの木になったと言われているのです。

世界最大のクリスマスツリー

すなわち、今日のクリスマス・ツリーには次の意味が与えられています。

①モミの木=冬でも葉を枯らさない樅(生命の象徴)

②星=キリストの降誕を知らせたベツレヘムの星

③リンゴ=アダムとイヴが食べた知恵の樹の実を象徴したもの

④ベル=キリストの誕生を知らせた天使のベル

サンタクロースとトナカイ

ロヴァニエミの「サンタクロース村」で知られるフィンランドでは、ホールド・ニッカル(Hold Nickar)と呼ばれるシャーマンが、白いボタンの赤いスーツを着て神聖なベニテングタケ(赤くて白斑のあるキノコ)を採集していました。

このシャーマンはキノコを採集後、トナカイのソリに乗って煙突から小屋に入り、友人たちとキノコを食べて悟りの世界(キリストの意識)に至り、セント・ニコラス(サンタクロース)と呼ばれるようになったのです。

さらにトナカイもベニテングタケを食べ、年に1度神様が良い行いをした人にプレゼントをするという伝説に結び付けられ、空飛ぶトナカイとなりました。

サンタクロースについては他にも諸説あり、有名なものは

1.トルコのミュラの司教「聖ニコラス」が訛って「サンタクロース」と呼ばれるようになった。

2.ニューヨークの神学者クレメント・クラーク・ムーアが1822年、自分の子供のために作った「聖ニコラスの訪問」の中で8頭のトナカイがソリに乗って空を飛ぶ物語を紹介した。

サンタとトナカイ

この「聖ニコラウスの訪問」では、8頭のトナカイには先頭から順に名前がついていました。

①ダッシャー(突進者)

②ダンサー(踊る)

③プランサー(威勢のよく進む)

④ヴィクセン(口やかましい女)

⑤コメット(彗星)

⑥キューピッド(天使)

⑦ドンナー(雷鳴)

⑧ブリッツェン(稲妻)

しかし、今日のサンタクロースのイメージを創ったのは1943年にコカ・コーラ社がWherever I goというキャッチコピーでコカ・コーラを手にしたサンタクロースを看板とした広告です。

このサンタクロースが着ていた赤いコスチューム姿が現在のサンタです。

クリスマスには欠かせない飲み物とケーキ

クリスマスケーキ

ドイツやフランスを始めとするヨーロッパのクリスマスにはかかせない飲み物としては、カクテルの一種のグリューワインがあります。

グリューワインは赤ワインにオレンジピールやシナモン、クローブなどの香辛料、砂糖やシロップを加えて火にかけ温めて創り、時にラム酒などの蒸留酒を一振りします。

アルザスなど白ワインの産地では白ワインを用いたヴァン・ショー・ブラン(vin chaud blanc)もあり、この場合はシナモンは加えず好みで砂糖やレモンの薄切りなどを加えます。

クリスマスケーキとしては丸太(木の幹)の形をイメージした「ブッシュドノエル」が人気です。

ブッシュドノエル

このケーキの由来は、貧しくプレゼントが買えなかった木こりの青年が彼女へのプレゼントとして、寒いクリスマスは暖かく過ごしてほしいという思いを込めて、束ねた薪をプレゼントしたという説、北欧の冬至祭「ユール」で使われた丸太をかたどって作った説、さらにはキリストの生誕を祝い、幼い救世主を温めて護るため、暖炉で夜通し薪を燃やしたことに由来する説などがあります。

また、日本ではあまり知られていませんが、エピファニー公現祭(1月6日)に食べるフランスの菓子ケーキ「ガレット・デ・ロワ(王様のケーキ)」も人気のクリスマスケーキです。

ガレットデロワ

正式には1月8日に食べますが、パイ生地にアーモンドクリームが一般的で、紙でつくった王冠やケーキの中に小さなフェーヴ(ソラマメの意)と呼ぶ陶製の人形などが飾られています。

ちなみに「ロワ」とは東方の三博士の意味で、ヨーロッパではこの「東方三博士の礼拝」の日とされる1月6日を祝ってクリスマスを終えるのです。

東方三博士の礼拝

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