平成芭蕉の「令和の旅」指南(2)~趣味の旅行からテーマの旅へ

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趣味の旅行からテーマの旅へ

「令和の旅」を考える平成芭蕉

「平成」から「令和」という新しい元号に変わり、新しい令和の時代が始まりました。

旅立ちのことを「鹿島だち」と呼ぶことを考えれば、新元号のスタートに相応しい改元記念旅行は「鹿島神宮詣で」かも知れません。また、「令和」の出典からすれば、太宰府政庁跡にある坂本八幡宮も訪ねたいところです。

しかし、私にとってこの貴重な時を刻む場所としては、やはり地元で伊勢の神宮遙拝所のある西宮神社を選びました。

そこで私の改元記念旅行は、平成最後の平成31年4月30日、西宮神社を参拝して「平成」最後のご朱印をいただき、翌日の令和元年5月1日には同じ西宮神社より伊勢を遙拝し、「令和」最初のご朱印をいただいて、あわせて「平和」を祈念するという令和の初詣でした。

そして、今年はこの改元を機に神社仏閣を巡る「ご朱印集め」の旅がブームとなっています。

しかし、このご朱印を集めるという趣味の旅行から、日本の神々や歴史に関心が生まれるとテーマ旅行に移行できるのです。

趣味の旅行は一般にSIT(Special Interest Tour)と呼ばれる単発の旅が多いのですが、テーマ旅行は「街道歩き旅」のようなPST(Progressive Study Tour)というテーマを深堀していく学び旅です。

言葉を換えれば「思い」で旅をするのが趣味の旅行で、「想い」で行動する旅がテーマ旅行です。

「思い」という字は、自分の「田」んぼ(フィールド)に「心」を砕くと書きますが、「想い」という字は「相」手のことに「心」を砕くと書き、自分の世界だけでなく、相手(出会い)が存在するのです。

すなわち、テーマの旅は自分の関心のあるものを見るだけでなく、旅先で遭遇する出会い(相手)から気づきを重ねていく旅なのです。

例えば私の地元の西宮神社は、福の神の恵比寿様を祀る神社として有名ですが、正しくは蛭児(ひるこ)大神が主神であり、この神様は伊弉諾尊と伊弉冉尊の最初に生まれた不具の子でした。

そこで、ご朱印をいただくだけでなく、西宮神社の由緒書きを読んだり、宮司さんの話を聞けば、「国生み神話」の淡路島を訪ねてみたくなります。

そして、淡路島の伊弉諾神宮を参拝すれば、これが日本最古の縁結び神社であり、「淡路国一ノ宮」であることを知るに至り、「古事記」や「一ノ宮」をテーマとした旅に出たくなります。

これが「ご朱印集め」という趣味の旅行からテーマの旅への理想的な移行なのです。

テーマの旅で「人生のときめき」を味わう

「稲村の火の館」と津波防災センター

「稲村の火の館」と津波防災センター

日本は風光明媚で美しい自然に恵まれた豊かな国ですが、それゆえに洪水や集中豪雨、地震や津波など、自然現象による自然災害が多く発生します。

例えば和歌山県広川町は、起伏なす紀伊山脈が海に迫り、複雑な海岸線には岩礁と砂浜が点在する風光明媚な土地柄で、かつては広庄(広村)と呼ばれ、熊野古道でもぎわっていました。

しかし、深く入りこんだ湾の最深部の低地にあるため、津波の危機と背中合わせになっていて、江戸時代末期の1854年(安政元年)11月5日、地震により発生した大津波に襲われました。

そこで、私は熊野古道を巡るテーマ旅行の途上、醤油で有名な湯浅町を見学した後、隣町の広川町にある「稲むらの火の館」津波防災センターを訪ね、地震が起きるしくみと津波の威力を学習し、併設された濱口梧陵記念館では彼の偉大な功績とともに暖かい人柄にも触れてきました。

濱口梧陵は地震発生時、いち早く津波を察知して、暗闇の中で村人を避難させるために、自身の大切な「稲むら」に火を放ち、避難ルートを示して多くの命を救った人物です。

また、津波の後も彼は私財を投げうって田畑の復旧や家屋の新築、さらに「広村堤防」の築造を行い、村の復興に尽力しました。

「稲むらの火の館」を見学した後、私は当時の村人が避難した広八幡神社を参拝し、濱口梧陵の「広村堤防」も歩いてみようと考え、その場所を町の人に尋ねると、濱口梧陵は村人を救っただけでなく、ヤマサ醤油7代目という実業家としても活躍、さらに今日の耐久高校の元となった「稽古場(耐久社)」の開設にも関わったことを教えてくれました。

旅においては、名所・旧跡からも多くの気付きや学びがありますが、やはり人の心がときめくのは、旅先で出会った人と感動を共有する瞬間ではないでしょうか。

しかし、感動を共有するには教養も必要で、私は熊野古道を巡るテーマ旅行において、濱口梧陵に関する知恵を得たことから、広川町で人生のときめきを味わいました。

テーマの旅は気付きを積み重ねる旅であり、その経験によって「知恵」が身につきます。

そしてこの知恵があればこそ、感動の瞬間「人生のときめき」を体感することができるのです。

★旅に関する情報は「芭蕉さんの旅講座」

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