平成芭蕉の「令和の旅」指南(3)~世界遺産と日本遺産

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世界遺産と令和時代におけるテーマの旅

「令和の旅」を考える平成芭蕉

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世界遺産とは、地球の成り立ちと人類の歴史によって生み出された、全人類が共有すべき宝物ですが、私の旅行人生を振り返ると、その価値ある世界遺産との出会いも印象的でしたが、それ以上に訪問地で出会った人との交流から学んだことが心に残っています。

私は2018年7月、世界遺産認定された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」のツアーに同行し、遠藤周作『沈黙』の舞台である長崎県外海(そとめ)の潜伏キリシタン関連教会を巡りましたが、その際、ユネスコ諮問機関イコモスの調査にも立ち会われた松川隆治さんにご案内いただきました。

松川さんは構成資産である出津教会大野教会の説明だけでなく、この地に伝わるバスチャン信仰にも触れて、キリスト教が日本に伝えられてから、「伝来と繁栄」、「禁教と密かな信仰継承」、「解禁と復帰」という歴史をたどる過程で「潜伏キリシタン」という日本独自の宗教文化が生まれたことの意義を教えてくださいました。

世界遺産登録後は、禁教時代にキリスト教信仰を密に続けた人々を「潜伏キリシタン」、禁教が解かれた後もカトリックに改宗することなく、従来の信仰を継続する人々を「かくれキリシタン」と呼んで区別するようになりましたが、私は松川さんのお話から、現在、堂々と旧来の信仰を守っている人々を「かくれ」と呼ぶのは失礼だと感じました。

彼らは「かくれキリシタン」と呼ぶよりも「和風キリシタン」と呼んで、この信仰形態を後世に伝えていくべきです。

私は世界遺産のテーマ旅行では、構成資産の見学だけでなく、登録されるに至った歴史的背景や真に守るべき大切なものは何かについての考察が大切だと思っています。

すなわち、アジアの中の日本という国を正しく理解し、世界遺産を通じて人類の歩みと文化を学び、真の国際人としての教養を身に付けることが平成芭蕉が提唱する令和時代におけるテーマの旅なのです。

日本遺産のストーリーで楽しむテーマの旅

「温羅」の居城とされる鬼ノ城

「温羅」の居城とされる鬼ノ城

「日本遺産」とは日本各地に存在する有形無形の文化財を、その地域の歴史的魅力やわが国の伝統・文化を伝えるストーリー、すなわち「物語」として文化庁が認定する制度です。

しかし「物語」にはそれを読む人、関心をもって聴く人、そして語る人の心があって、これら三者三様の想いがその「物語」発祥の地に繋がってこそ「物語」は旅となります。

そして「物語」はたとえそれがフィクションであっても、設定された舞台が実際に存在する場合も多く、その舞台を訪れて主人公の気持ちに思いを馳せるのが日本遺産のテーマ旅行です。

日本人であれば誰もが知っている「桃太郎」物語も、平成30年に“「桃太郎伝説」の生まれたまち おかやま~古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語~”(岡山、倉敷、総社、赤磐の4市)として日本遺産に認定されました。

この遺産は同伝説の鬼、温羅(うら)の居城とされる巨大山城「鬼城山(鬼ノ城)」、桃太郎を意味する吉備津彦命(きびつひこのみこと)が温羅との戦で築いたとされる墳丘墓「楯築遺跡」、吉備津彦命をまつる「吉備津神社」「吉備津彦神社」など27の文化財からなるストーリーです。

昔話の桃太郎伝説は、桃の実から生まれた男子「桃太郎」がお爺さんとお婆さんからきび団子をもらって、道中で出会ったイヌ、サル、キジを従え、鬼ヶ島へ鬼退治に行き、鬼の財宝を持ち帰って郷里に凱旋する物語です。

一方、岡山の桃太郎伝説は、吉備の民を苦しめる温羅(鬼)を大和朝廷から派遣された吉備津彦命(桃太郎)が退治して、吉備の国を平定したという逸話を伝承しています。

しかし地元の岡山では、鬼とされる温羅は製鉄技術を伝えた恩人とも考えられており、温羅にちなんだ「うらじゃ」祭りが催されるなど、桃太郎と同様に愛されています。

日本遺産のテーマ旅行では、主人公の桃太郎だけでなく、鬼の「うら」目線で岡山のおもてなしに触れて、昔話とは異なるストーリーを感じていただきたいと思います。

★旅に関する情報は「芭蕉さんの旅講座」

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